もうすぐ絶滅するという紙の書物について

装幀が好み。ぜひ本棚に入れておきたい作品。図書館情報学としても、本好きとしても読み応えのある1冊。引用多め。

技術が手間を省いてくれるなんてことはまずありません。技術は手間を増やすだけです。

未来の最大の美点は、つねに驚異的だということです。

我々がまさに生きている最中であるところの素晴らしいひと時、それを過去や未来が結託して隠滅しようとしているのです。

真実について理論を立てようとすると贋物が必ず出てきて難癖をつけます。贋物のもとになった本物と贋物を比較することができるなら、その贋物が本当に贋物なのかどうかを知るすべがあります。それより難しいのは、本物が本物であることを証明することです。

偉大な書物がなぜすごいかというと、開けば我々のことが書いてあるからで、だからこそ親しみやすく、現代に通じているのです。

我々は過去についての知識の大部分を書籍から得ることがいちばん多いんですが、そういった知識が伝わってくるのは、馬鹿や間抜けや狂信的な敵のおかげなんです。

教養があるということは必ずしも頭がよいということを意味しません。しかし今日では、誰もが自分の考えを人に聞かせようとするので、どうしても単純な愚かしさが露呈してしまう場合があるんです。
ですから、言ってみれば、昔の愚かしさは人目に触れることがなく、認知もされなかったのに対し、最近の愚かしさはやたらと大声で喚き立てるんです。

読書は咎められない悪習だ。

本棚は、必ずしも読んだ本やいつか読むつもりの本を入れておくものではありません。(中略)本棚に入れておくのは、読んでもいい本です。あるいは、読んでもよかった本です。そのまま一生読まないかもしれませんけどね、それでかまわないんですよ。

ワインセラーにも似てますね。

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この本の情報

タイトル もうすぐ絶滅するという紙の書物について
著者 ウンベルト・エーコ
出版社 CCCメディアハウス